小学校受験 塾での成績が良くないと合格できない?

こんにちは!幼児向け家庭教師ミセスサリヴァン

代表の言水(ゴンスイ)です。

 

怒涛の新学期シーズンを迎え、今月は開業以来一番多く

新規体験レッスンのお申込みをいただいております。

ありがたく毎日体験レッスンに伺わせていただいておりますが、

体験レッスン時によくいただくのが

「塾での成績が良くないのですが、

 〇〇小学校は難しいでしょうか?」

というご質問です。

 

体験レッスンのお申込みをいただたいときには

ご志望の学校名とご希望のレッスン内容をお聞きして

先生をアレンジしています。

体験レッスンでは講師がお子さまとレッスンさせて

いただく間、私がお母様やお父様とお話しをさせていただきます。

 

その時に模擬試験の結果などを拝見したり、塾に通われている

場合は塾でのご様子をうかがっております。

その際に、最近とっても多いのが、塾での成績が上位でないと

ご希望の学校に合格するのが難しいと思って心を痛めておられる

お母様・お父様です。

 

結論から申し上げますと、

現時点での塾や模擬試験の成績と

合否はほとんど関係ありません。

 

こう申し上げるとびっくりされることが多いのですが、

今まで長い間小学校受験のお手伝いをさせていただいて

きた上での事実です。

 

今回は、なぜ今の成績と合否が関係ないかについて

ちょっと具体的にお伝えしようと思います。

 

理由1:今はまだ春だからです

 

最近、小学校受験の塾の授業は、あり得ないくらい

スピードが速まっています。とくに最大手ではなく

中サイズクラスの人気塾では、授業の難易度とスピード

が異常に高まり、そのスパルタ感でさらに人気を集めて

いるようです。すでに年長分野の学習が一通り終わって

いる塾もあり、難易度とスピードについてゆけないお子

さまのお母様たちはその状況に非常に焦りを覚え、

こんな成績では志望校に合格できないのではと心配されます。

 

当然のお気持ちですが、考えてみてください。

考査は秋で、今はまだ春です。

従来であれば、年長分野の学習が終わるのは早くて5月末、

通常は6月だったのです。

その後、7月をメインに演習問題を解きつつ、今までに

入れた知識や概念のブラッシュアップを行い、

8月から過去問や類似問題を解くというのが、

従来の小学校受験生さんのタイムテーブルでした。

 

ですが、あまりにも塾の進捗が早まったために

授業についてゆけないお子さまや、模擬試験で成績の

取れないお子様が急増しています。

今わからない分野や理解できない分野があっても、

秋の考査の日までにできるようになれば全く問題ないのです。

お子さまにとっての時間という資源は本当に大きく、

今わからないことでも、焦らず着実に取り組めば

秋までにわかるようになるということが本当に多いのです。

わからないのはお子さまの能力の問題ではなく、取り組む

時期の問題であるケースです。

 

むしろ現段階では難しいことはとりあえず置いておいても

数やことば、記憶や基本図形などの基礎分野をじっくり

積んでゆくほうがずっと大切なのです。

 

今は成績を気にすることよりも、実際にお子さまが何を

習得しているのか、意欲をもって取り組めているのか、

集中力をもって話が聞けているか。

そこを気にするべきタイミングです。

 

理由2:学校によって全く違うからです

 

現在受けておられる模擬試験を拝見すると、

全員が同じ試験を受ける形式の模擬試験がほとんどです。

そのなかでペーパー、制作絵画、運動、質疑応答、

行動観察、などが行われ、それぞれに点がつき、

その点数が高い順から順位がついて、記入された

志望校への合格確立がグラフで表示される。

こんな感じの模擬試験になっています。

 

見るたびに思うのですが、学校によって

試験の形式も、重視するポイントも、好むお子さまの

タイプもまったく違うのに、全員で同じ試験を受けて

合格の可能性がわかるのでしょうか?

 

ペーパーを最重要視する学校であればまあわかりますが、

難関校にはペーパーが出題されない(出題されるとしても

ウエイトの少ない)行動観察校も多いですから、

それを同じ試験で判定することには無理があります。

 

ペーパーが得意なおこさまをお好きな学校もあれば、

ペーパーが苦手でも合格できる学校もあります。

トレーニングを積まれたおこさまがお好きな学校もあれば

トレーニングはお嫌いな学校もあります。

 

それをまとめたテストで判定するということ自体無理があり、

模擬試験で参考にするべきなのは志望校への合格可能性ではなく、

お子さまがどこが苦手でどこが得意かという点、そこだけです。

 

ちなみにもう少しすると学校別にわかれた模擬試験が始まります。

その場合は模擬試験の内容そのものも、それぞれの学校の考査での

出題に似せたものになりますので、総合的な模擬試験よりは

合否判定の信頼度は上がります。ただ、それでも塾の模擬試験での

テスターのビューと学校の先生方のビューが同じはずはありません。

学校別模擬試験で1番でも合格をいただけないことはよくありますし、

学校別模擬試験で下位でも合格されることもよくあります。

 

理由3:考査の当日まで伸びるからです

 

最近の合格パターンで多いなと思っているのが、

夏過ぎから成長が加速し、考査の数週間前から当日にかけて

私たち家庭教師も、お母さまも、ハッとするような

伸びを感じたおこさまが、合格されるパターンです。

 

そのお子さまたちは、最初からできたわけではなく、

塾が嫌でたまらなかったり、ペーパーが嫌いだったり、

紆余曲折を経ながらも少しづつ力を積んでいき、

心の成長とともに学習ボリュームを上げて勢いにのった

お子さまたちです。

 

お子さまがどこのポイントでぐっと伸びるのかは人それぞれ

ですが、いまエンジンがかかっていなくても、信じて

やるべきことを焦らず積み重ねていくことで伸びのピークが

必ずやってきます。

本当に考査当日までおこさまの成長は未知数なのです。

 

そのお子さまがどれくらいの成長曲線の幅を秘めているのか、

どれだけこれから伸びるのか、そこは全くの未知数ですから

現段階での成績で合否が決まるはずがありません。

 

 

理由番外編:ご両親の願書と面接が

含まれていないからです

 

私立の小学校であれば、学校にもよりますが、

通常は願書を提出しご両親の面接が行われます。

模擬試験では、そこはまったく含まれていません。

 

お子さまがどんなにできても、ご両親が願書や

面接で失敗した場合、合格できないことは大変多いのです。

学校は当然、校風にあう優秀なお子さまを迎えるために

考査をしますが、同時にそれは学校にあうご家庭=保護者を

迎えるためのテストでもあります。

 

とくに附属校の場合、小学校で6年、中学校で3年、高校で3年、

大学で4年ですから、保護者の方と学校のお付き合いはなんと

16年にもおよびます。その長い年月、ともにパートナーとして

お子さまを育む保護者の方がどんな方なのかを学校が気にしない

はずがありません。

どんな保護者なのかを学校が知る手立てが願書と面接なのです。

 

 

ということで、

塾のテストや模擬試験では、順位ではなく

どこがわかっていてどこがわからないのか

に注目してくださいませ。