こんにちは! 小学校受験家庭教師のミセスサリヴァン の言水です。
もうすぐ新学期ですね。
今月、ミセスサリヴァンで行われた会議にてT.M先生が
早稲田実業初等部の考査のここ数年での傾向の変化について
分析した資料を作成・発表して下さいました。
多くの学校は大手塾から発売されている「過去問題」を
見れば出題内容がわかります。ですが、この過去問を
なんとなく眺めていても、毎年の出題の傾向やその変化を
つかみにくいのです。
T.M先生の分析は私どもから見ても「なるほど!」と
変化が生じた部分と変わらない部分が明らかに見て取れる
大変有効な内容でしたのでブログを読んで下さっている方に
一部シェアさせていただきます。
近年の早稲田の傾向について
1.早稲田は「プリント校」ではない
→ 早稲田のペーパーは「A4で全2枚」これだけです。
この2枚が両面になっている場合もあるので
3ページから4ページ、がペーパーのボリュームです。
領域は「数」「お話の記憶」「図形推理」が3本の
柱になっています。
考査全体からみるとペーパーの比重は大きくありません。
ただ、ボリュームが少なく難易度が高いわけでもないので
しっかり得点できる力は必須です。
2.各考査に登場するテーマは「家族」「日常」「なじみのある」
→ 特に顕著なのは「お話の記憶」に出てくる題材です。
「家族で」「レストラン」「スーパー」「カレーライス」「八百屋」
「犬」「公園」「動物園」など、早稲田で出題されるお話の記憶には
お子さまの身近にあるものばかりが題材とされています。
以前から早稲田は当たり前の日常生活を大切に、というのがカギと
なっておりましたが、それは設問の題材にも反映されています。
3.巧緻性・生活習慣は受験のためのトレーニングではない
→ 2020年度の巧緻性は「生活技能+指示制作」
2022年度の巧緻性は「指示制作 同じように作りましょう」
2023年度の巧緻性は「生活技能+指示制作」
が近年の早稲田の出題内容です。
「生活技能」は 鉛筆を結ぶ、おはじきをつつむ、くつを脱ぐ など
日常生活そのものがテーマとなっています。
何が出題されるかわかりません、ですが生活の中で自分のことを
自分でする自立性が備わっていれば、対応できるものばかりです。
「指示制作」は「同じようにつくる」ケースが多く
材料はジップロック、粘土、クリアファイル、ひも、つぼのり、
ティッシュペーパー、チャック袋 などの身近なものの
使い方を理解しているか、指示を理解、手順を記憶して
取り組むことができるか、取り組む姿勢はどうかなどが見られます。
日常生活のなかでこれらに親しんでいるかは
考査中のお子さまのご様子を見ればテスターには一目瞭然のはずです。
4.人・もの・できごととの「関係性」を俯瞰で認知できるか
→ 2023年の考査で驚いたのは、絵画と行動観察の内容です。
とくに絵画は、そこまで必要なのかと驚きました。
2020年の絵画は「気分や気持ちを描く」
わくわくどきどきしたもの、自分ってすごいなと思った時の絵、
今頑張っていることの絵、今欲しいものの絵、大きくなったらなりたいもの
などを描くテーマでした。
2022年の絵画は「意外な2つの組み合わせ」
ダンゴムシと傘、カエルと帽子、この鳥と鉛筆、この生き物とバケツ、
この生き物とスコップ、この生き物と虫取り網
などを描くテーマでした。
そして2023年は「自分との関係性を描く」
風鈴とほうきと自分、花火と木と自分、桜と蝶と自分、
タイヤと雪の結晶と自分、月と栗と自分、つくしとおにぎりと自分
などがテーマだったのです。
年々描きにくく、また得意な持ちネタを磨いて使う
ということができないテーマになってきています。
2022年には2つの組み合わせを思いついて描ければよかったものが
2023年にはそこに自分がどうかかわるのか、描かなくてはならないのです。
とくに昨年は早稲田の絵画の出題で昨今話題となっている
「非認知能力」
が小学校受験においても必要となっていきていると感じましたが
先週お会いした小学校受験の行動観察塾( 慶應で素晴らしい合格
実績をだしておられます)の室長先生からもそのお話が出て驚きました。