小学校受験 中途半端な「体験」では勝てません

 

こんにちは!幼児・小学校低学年向け家庭教師派遣のミセスサリヴァン

代表の言水(ゴンスイ)です。

 

そろそろ夏期講習のお申込みを終えられて、夏休みに向けて

分野履修の最終ステージに入っておられる頃ですね。

夏休みの計画はたてられましたでしょうか?

 

この夏、ぜひ受験生さんのご家庭にやってほしいことがあります。

もう最初から答えを書いてしまいますが

「実体験」「お手伝い」です。

 

もう皆さま、小学校受験はペーパーや巧緻性、運動の

対策だけでなく「体験」や「お手伝い」といった

ご家族の生活的なことが必須ということはご存知だと思います。

願書面接で必要なことはもちろん、慶應や早稲田などの制作絵画では

お子さまが自分の体験をもとにゼロから何かを作り上げて

それを説明することが求められるので、「体験」や「お手伝い」の

経験がなければ、どんなにペーパーが優秀でも合格は難しいと思います。

 

これらの「体験」や「お手伝い」について、もちろん皆様

意識されていると思いますし、取り組んでおられると思います。

ですが、問題はその取り組み方です。

 

「ちょっとやってみた」「たまにやっている」

というスタンスでの中途半端な「体験」や「お手伝い」では

難関校に合格するのは難しく、やるのであれば継続して

徹底的にやる必要があります。

 

お子さまというのは、自分の日常生活にしみ込んだこと以外は

忘れてしまいます。

または忘れないまでも、自分のことばで生き生きとそれについて

語るということができません。

なんとなく場当たり的にやったことなのか

日常生活の中の一部として毎日やってきていることなのか、

お子さまのことばからすべて解ってしまうのです。

 

たとえば「体験」として一番身近というか、皆さまが

やられることは昆虫を飼育することか、野菜やお花を育てることだと思います。

これらは手軽に始めることのできる体験で、たぶん誰にでもできます。

ポイントはそれに「どう取り組んだか」なのです。

 

昆虫の飼育であれば、山に卵をとりに行って、それを持ち帰り、

自宅でふ化させて、どんな餌をあげて、ケージを掃除してそだて、

大きくなった昆虫が最後どうなったか、までをお子さま自身が

体験する必要があります。

 

野菜や花でも、種や苗を植えるところから、日々水をあげたり

肥料を上げたり、虫がきて食べられたり、大きくそだって収穫して

お母さんと一緒に料理して食べた、までをお子さまが体験する必要があります。

 

ご両親主体で昆虫や苗を買ってきて、ご両親が飼育環境や栽培環境を

セッティングして、お子さまは時々餌をあげたりお水をあげたり、

これは残念ながらお子さまが十分に語れる体験になりません。

 

お手伝いでも、時々お茶碗を下げる、とか時々お洗濯ものをたたむ、

ではダメです。

毎日、必ずやるべき自分の役割としてのお手伝いがあって、

それにきちんと取り組んだという経験がなければ

たとえば面接で「お手伝いのどういうところが難しいですか?」と

聞かれて答えることはできないと思います。

毎日やっていることであれば、お子さまもスムーズにお手伝いする

ために工夫をしますし、スキルが上達します。

そして自分のするお手伝いのおかげでご両親が喜んでくれることで

誇りを持ち、自己肯定感を高め、自分がお兄ちゃんお姉ちゃんだと

感じることができます。

ただ面接でどんなお手伝いをしているか聞かれるから、

お手伝いをしておく必要があるということではなくて、

毎日のお手伝いを通じてお子さまが精神的に成長されるのです。

 

お子様に毎日お手伝いをさせるというのは、大変だと思います。

お母さまがご自分でやってしまったほうが早いことを、

毎日、声掛けをして見守りながらお子様にやってもらわなくては

なりません。

 

ここでもう気が付かれたと思いますが、

「実体験」と「お手伝い」には、時間がかかります。

幼稚園や保育園に通いながら塾にも行って、

ペーパーをやりながら、制作巧緻性をやりながら、

日々生活されている中で、こういう時間をとることは

本当に難しいと思います。

 

だからこそ、夏休みに経験してほしいのです。

塾のカリキュラムも通常クラスは夏休み前に終わりますから、

夏休み中の夏期講習は午前だったり午後だったり、

3日~5日ほど連日で入ったりすると思います。

ですが通常は降園あとに設定されている塾の時間が

たとえば午前中に移動するとしたら、

午後には通常時よりもまとまった時間が取れるはずです。

そういう時間を有効活用してほしいのです。

 

また、サマータイムというものがあるように

夏期は冬期よりも明るくなるのが早いですし、

暖かいので早起きには良いシーズンです。

保育園に通っておられてまとまった夏休みが

取れないという方は、起床を早めて朝に活動時間をつくり、

たとえばペーパーは朝やり、かえってきてから

体験やお手伝いの時間を取るというやり方も良いでしょう。

 

いずれにしても小学校受験は早い時間から考査が行われる

ことも多いですから、早朝から頭を使う習慣を作ることは

非常に有効です。

ちなみに保育園で午後にお昼寝の時間がある受験生さんも

考査が午後になって眠いという事態と、夜寝るのと朝起きる

時間を早めるために、保育園にお昼寝をスキップできる

またはちょっとだけ昼寝して早く起こしてもらう、

というような相談をされると良いと思います。

 

なお、体験についてもお手伝いについても、夏休み中に

深めてほしいのですが、考査の日までメンテは欠かさないでください。

お子さまにとって時間の流れは大人よりもずっと早いので

たとえば8月いっぱい頑張ったことでも、9月から疎かにすると

10月・11月の考査の頃には忘れてしまうからです。

夏休み中よりはボリュームを落とすにしても

考査の日まで継続しなければ、せっかくの体験を活かすのが

難しくなってしまいます。

 

通塾に家庭学習に体験にお手伝いに大忙しの夏です。

また、ご両親は学校研究や願書作成もしなくてはなりません。

なので、夏期講習をパツパツに入れることには基本的には

私は反対です。

ですがもうたくさん入れてしまったとか、

お教室によっては総合の講座をわりとがっちりとらないと

学校別の講座の申し込みができないとか、

講座のパッケージが大きくて授業時間数が膨らんでしまう、

ということもあると思います。

 

その場合に必要になるのは休む勇気です。

高額な費用を支払っている講習をお休みするのは

もったいなくて勇気がいると思います。

ですが、お子さまにとってもお母さまにとっても、

夏休みは考査前に唯一時間の取れる貴重なシーズンです。

お子さまと、もちろんお母さまのコンディションによっては

休んでゆっくり過ごされたり、体験やお手伝いや遊びに

時間を使われて、あとで欠席講座分のプリントをもらう方が

有意義だという場合があるのです。

 

夏休みに入る前に、

どんな体験をするか

どんなお手伝いをするか

お子さまと楽しみながらしっかり相談して

ご準備くださいませ。

当然、お母さまがやらせたいことと、お子さまが

やりたいことが違うということもあるはずです。

ですが、体験もお手伝いもやるのはお子さまなので

ご両親が誘導されるにしても、最終的には

お子さまがやってみたいことをやる、というスタンスに

なるようにお願い致します。