塾選びについての小学校受験家庭教師の考察

 

こんにちは!幼児・小学校低学年向け家庭教師派遣のミセスサリヴァン

代表の言水(ゴンスイ)です。

 

11月に小学校受験の世界での新年度が始まってから、

体験レッスンのお申し込みをたくさんいただいており、

対面でもオンラインでも保護者さまとお話しさせていただく

チャンスが増えております。

その中で、とてもよく話題にのぼるのが

小学校受験塾の選び方

についてです。

 

以前のブログで、小学校受験の塾選びについて

下記のように書きました。

 

「 学校によっては考査の方向性がまったくちがうので、

ご志望が難関ペーパー校であれば難関ペーパー校を

得意としている 小学校受験塾・小学校受験教室に

ご志望が行動観察校であれば行動観察校を得意と

している 小学校受験塾・小学校受験教室に

通う必要があります。」

 

また、大手の小学校受験塾・小学校受験教室がいいか、

個人の小学校受験塾・小学校受験教室がいいかについては

 

「 大手塾のメリットは、

〇情報が豊富にること

〇模擬試験の分母が多いこと

〇教室ごとに担当校が決まっているので、

 志望校が変わった場合などに同じ塾の中で

 教室移動することによってアジャストできること

 

などがありますが

大手の小学校受験塾・小学校受験教室のデメリットは

〇細かい部分をフォローはしてもらえない

〇先生が忙しくてご相談がスムーズにできない

などがあります。

個人の小学校受験塾や小さな小学校受験教室のメリットは

〇丁寧に見ていただける

〇先生とのコミュニケーションがスムーズにできる

ことでしょう。

デメリットは

〇大手とくらべて情報量が少ない

〇分母が少なく、精度の高い模擬試験が受けられない

〇志望校が変わった場合、学校別対策を受けられない

など、そのメリットデメリットは真逆です。

どちらが良いかは、お子さまのタイプとお母様の

考えによって違うと思います。」

 

というように書かせていただきました。

ようするに

小学校受験塾を1つ選ぶ

ということが前提でのアドバイスでしたが、

最近は少し事情が変わってきているように感じております。

というのも

復習の小学校受験塾に並行して通っておられる方

が増えていらっしゃるように感じております。

 

確かに、それぞれの教室にはそれぞれの良さがあります。

並行通塾がうまく機能しているなと感じるのは次のようなケースです

 

1.お勉強の教室+絵画制作または体操の教室

 

ここ数年本当に感じるのですが、

慶應義塾幼稚舎

慶應義塾横浜初等部

早稲田実業初等部

上記3校を受験される場合、ペーパーと同じかそれ以上に

力を注ぐ必要があるのが、絵画制作と体操です。

もちろん幼稚舎はペーパーがなく、考査が絵画制作と体操と

行動観察のみですから、幼稚舎を真剣に志願されている方は

小さい頃から絵画制作と体操に力をいれておられるケースが

多いのですが、ペーパーのある横浜初等部と早稲田実業も、

絵画制作と体操をペーパーと同じかそれ以上に対策された

方が合格されています。

 

もちろん、お勉強+絵画制作+体操が同じお教室で受講可能で、

かつそれぞれのクラスがご志望の学校にフィットした内容であれば

それに越したことはないと思うのですが、通っておられる

お教室でコンプリートできない、または科目によって指導方針が

お子さまやご家庭とフィットせず、思うように伸びない、ということが

ままあります。

 

特に絵画制作について、慶應は(最近は早稲田でも質問がありますが)

「おたずね」という独特の課題があり、ようするに制作絵画の考査の際中に

試験官の先生からお子さまに質問がされます。

何をつくっているのか、どうしてそれを作っているのか、

それを使ってなにをするのか、などを自分のことばでお子さまが

説明できる力が必須です。

なんとなくではなく、お子さまの活きた体験に基づいている必要があります。

自分の経験をもとにゼロから何かを作り上げてそれを自分のことばで語る、

この対策が非常に難しいのです。

弊社にも慶應・早稲田美術の対策のできる講師のご希望が大変多く、

毎年真っ先に枠が埋まるのが美術講師のレッスン枠です。

そもそも慶應早稲田の美術のご指導が可能な講師がものすごく少ないのです。

 

1.個人塾+大手塾

 

このケースの場合は講座の取り方がポイントになります。

軸足は、ご自宅からお近く、かつお子さまとお母さまが気に入って

おられる個人塾におかれます。

大手塾で受講するのは

模擬試験

学校別の講座

です。

 

個人塾や小規模塾には素晴らしいご指導をされているところが

たくさんあります。

なのですが、気になるのが、お子さまの現在のポジションです。

模擬試験はある程度の分母が必要です。

でないと、お子さまが現在受験生さんたちのどのあたりにいるのか、

ポジションを確認することが難しいのです。

もちろん新年長さんの1月現段階でのお成績は、合否には関係ありません。

ですが、お子さまがどれくらいの位置にいるのか、どんなことが得意で

どんなことが苦手なのか、などを客観的に判断することは

非常に大切です。なので、ぜひ個人塾に通っておられる方も

大手の模擬試験をお受けになると良いと思います。

 

また、個人塾でも、〇〇小学校に特化、というようなお教室であれば

ご志望校の学校別の講習をとることができますが、

じっくりまんべんなく底上げタイプのお教室の場合、ご志望校の

学校別の講座や講習がないことがあります。

早いタイミングから絶対にということはないですが、

夏期講習や直前講習であれば、ご希望の学校にフィットした内容の

講習を受けるべきだと思います。

その場合、その講習に参加されているお子さまたちは

その学校の受験者になるはずですから、実際の考査の会場で

お会いするお子様たちの中でお授業を受けられることは

本番の雰囲気に近いものを感じられると思います。

 

なお、目的別ダブル通塾をされる場合、学習内容が増えますが

何よりも大切なのは学んできたことをおうちで復習されることです。

行きっぱなしでは力をつけることが本当に難しいのです。

また、通塾が増えることによってお子さまに負担がかかることもあります。

(これはお子さまのタイプにもよるとおもいます)

なので、お子さまの様子をしっかり見て、負担がかかっているな

という場合は何かを手放すという勇気も必要だと思います。