今悩んでおられる受験生さんのお母さまへ

 

こんにちは!幼児・小学校低学年向け家庭教師派遣のミセスサリヴァン

代表の言水(ゴンスイ)です。

 

ついに都内の小学校の出願が始まりました。

考査まであと1か月、ここにきてお子さまの模擬試験での

成績が下降したり、伸び悩んだり、できないことが気になって

不安で眠れないほど悩んでおられるお母さまもいらっしゃると存じます。

 

願書も実際に書いてみると予想以上に大変だったと存じます。

「なぜその学校でなくてはならないのか」をご家庭の教育方針と

からめて枠内で過不足なく表現することは非常に難しく、

時間がかかります。

今年は慶應横浜初等部の感想文の部分に大幅な変更があったため、

小泉信三の本を買うのに慶應の購買に走られた保護者の方も

多かったのではと存じます。

それぞれの学校にあう内容で、出願するすべての学校の願書を

夜中に仕上げつつ、お子さまのお教室に付き添い、塾から帰ったら

ご自宅で復習をする。とうぜん幼稚園や保育園は通常授業ですから、

園生活も日常通りにこなさなくてはなりません。そしてだんだんと

秋らしくなっていくなかで、お子さまの体調管理もしなくてはなりません。

 

この直前期の状況の中で、いちばんなくなっていくものは何か?

それは

お母さまの心のゆとり

です。

 

お母さまが心のゆとりをなくし、疲れと焦燥感の中で

お子さまに接すると、それが本当にダイレクトに

お子さまに伝わります。

ですが、それが伝わることでお子さまに良い影響は

残念ながらひとつも出ないのです。

 

この時期、もっとも大切なことは

お子さまの心と体のコンディションを整えること

これに尽きます。

 

そのために何をしたらよいか、ということを今日は

お話しようと思います。

もし現在の状況に焦りを感じていらしたり、

このままでは難しいと悩んでおられる方がいらしたら、

試してみてほしいと存じます。

 

ポイント1:お子さまと思い切り遊びましょう

 

最近、お子様と外に出て遊んでますか?

お教室の直前講習がたくさんある方も多いですし、

毎日やることがあまりにも多すぎて、とてもそんな

ところまで手がまわらないと思っていらっしゃる

お母さまも多いと思います。

ですが、お母様が現在の状況にストレスを感じていると

したら、お子さまはさらにそうです。

お子さまはお母さまの鏡のように精神状態を反映

しますから、お母様の焦りはお子さまにとっては

大きなプレッシャーになります。そうなると、

考査の場でものびのびと子どもらしく、

自信をもって堂々と振る舞うことができなくなります。

 

昨今はカソリックの女子校でさえも、お人形さんの

ようにおとなしく従順なタイプのお子さまではなく

伸びしろを感じる自分を持っているおこさまが好まれる

傾向にあります。また、どの学校もお子さまの

「自己肯定感が強いこと」が重要視されているようです。

 

5歳・6歳のお子さまにとって、本来のお仕事は

「遊ぶこと」です。

ですからお子さまの目の輝きや本能を呼び戻すのには

太陽の輝きを浴びながら息を切らせて思い切りあそぶこと、

これが非常に有効です。

 

そしてここでちょっと勇気をもって厳しいことを申し上げますが、

お子さまと外に出かけて、さあ、あなたは遊んできて

いいわよとお母さまがベンチに座ってスマホを見る、

というのは、今回ご提案する「お子さまと思い切り遊ぶ」には

残念ながら該当しません。

お母さまも、お子さまと一緒に思い切り楽しんで遊んでください。

お子さまは賢いですから、一緒に遊ぶことをお母さまが楽しんで

いるかそうでないかを、わかってしまいます。

親子で遊んで、終わった後も「今日は楽しかったね!」

「〇〇ができてすごくうれしかったね」と楽しさを

共有するところに意味があるのです。

 

もちろん、お天気やスペースの都合もありますから、

外で遊ぶのが難しい場合は、すごろく大会や一緒に

クッキング、ねんど遊びなどでもお子さまが楽しくできる

遊びであればいいのです。そして、外に行くにしても

遠くに行く必要はまったくなく、近所のちいさな公園で

良いのです。

思い切り遊ぶことはお子さまの心の栄養補給に

非常に効果があります。

 

 

ポイント2:「できない」と絶対に言わない

 

今日から考査の日まで(なんなら考査が終わってからも

お続けいただいて全く問題ないのですが)、

お子さまに耳に、お子さまに関する否定的な言葉を

入れることを一切やめましょう。

「できない」

「また間違っている」

「苦手だ」

「下手だ」

お子さまについて、こういう言葉をいうことを

やめるのです。

 

なぜかというと、そんなことを言っても

「できる」ようにも

「もう間違わない」ようにも

「得意」にも

「上手」にも

絶対ならないからです。

逆にお子さまのモチベーションを下げ、自信を

なくさせるだけだからです。

今できないことや苦手なことがあっても、

大丈夫です。

本番までにできるようになればいいのです。

また、苦手なところがあっても、いいんです。

すべての分野が得意なおこさまはほとんどいません。

モチベーションが下がり自信を無くすと

できるはずの問題も解けなくなります。

今できない問題の中には、理解できないのではなく

自信がなくて正解に至れない、という問題が

必ず含まれているはずです。

逆に自信を持てると、発問を聞き取る力が

強くなり、落ち着いた気持ちで正解を選ぶ

ことができるようになることが本当に多いのです。

 

否定的なことばをかけるのを一切やめて

ほめましょう。

「できない」ではなくて

「惜しい!あとちょっとだったね!昨日よりずっと

よく考えられるようになってるよ!」

 

「また間違っている」ではなくて

「あれ?違った?でも頑張って考えられてすごいね!

お母さんも間違えちゃうことよくあるよ。次はきっと

大丈夫だよ!」

 

「苦手だ」ではなくて

「最近〇〇がだんだん得意になってきたね。

だって、頑張ってるもんね。えらいなね!」

 

「下手だ」ではなくて

「〇〇ちゃん、お母さんよりずっと上手だね。

たくさん練習したからかな?

お母さんにもこのやり方おしえて」

 

こんな風に声掛けしてお子さまの気持ちを盛り上げ、

自信を持たせてください。

ちなにみ、小学校を受験されるのは、まだ5歳か6歳の

お子さまです。そんなに小さなお子さまが考査に向けて

塾に通ったりおうちでお取り組みをしているのです。

頑張っていないお子さまはいません。

そんなお子さまを、心から褒めてあげてください。

 

ポイント3:苦手なことばかりやらない

 

本番までの限られた時間の中、できる限り

効率よく学習をしたい、というお母さまの

お気持ちはとても良くわかります。

なのですが、やめてほしいのが

お子さまの苦手分野だけをずっと特訓する

スタイルの学習です。

 

人にはそれぞれ、個性と適正があります。

それぞれに得意と不得意があるのが当然です。

とうぜん小さなお子さまもそうで、それぞれ

得意なこともあれば苦手なことがあります。

 

苦手なことを努力して克服することは

とても良い経験でお子さまの精神的な

成長につながります。

なのですが苦手なことばかりだと、

必ずお子さまは取り組むことにうんざりします。

そして、できないと思う時間が増えることで

自信を失ってしまうのです。

 

たとえばなのですが、私は自転車に乗ることが出来ません。

それと、逆上がりが出来ません。

会社と自宅は徒歩5分の距離なので、もうこのまま

乗れなくてもまあいいか、と思っています。

逆上がりも日常生活に必須の運動ではないのでこれも

まあできなくてもいいか、と思っています。

たとえば、私の苦手な自転車に乗る練習と逆上がりの

練習を毎日2時間づつ強制的にやらなくてはならない、

という状況を想像すると・・・絶対に嫌です。

苦手分野ばかりを集中して取り組むというのは

これと大差ないと思います。

お子さまにとって「回転図形が苦手だ」「四方観察が苦手だ」

ということがあったとしてもご本人が何が何でも

できるようになりたいから特訓する、というお気持ちには

ふつうならないですから、「苦手なことを延々とやらさている」

ということになってしまいます。

 

もちろん、苦手なことをやらないほうがいい、ということは

ありません。

ですが苦手なことをやるなら、お子さまがやりたいと思う

得意なこともやりましょう。

苦手分野と得意分野をサンドイッチにしてあげると

メリハリもつきますし、全般的に苦手なことばかり

強いられているわけではないですから、お子さまが

うんざりしてお勉強が嫌になったり、どうせできないと

自信を無くすリスクを軽減できます。

 

そして苦手分野を学習する場合、まずは

難易度を落としましょう。

直前期に難易度を落とした学習をするのは

勇気がいりますが、結局は基本部分が

わかっていないまま応用問題を解いても

その理解は浅いものになり、その状態では

考査本番で出題される問題には対応できない

ことがほとんどです。

苦手なことであれば、急がばまわれで

難易度を落とし、お子さまに

「あれ?そういうこと?

なんだ、考えればわかるじゃん」

と思わせることで、理解も深まりますし

苦手意識が薄くなります。

 

また、どうしても理解できない分野があると

したら、分野が何かにもよりますが、今の時期

であればそれを捨てるという方法もあります。

ペーパーの学習分野は60種類ありますから、

その苦手な1分野が出ない可能性の方が高いのです。

 

昔私がお世話させていただいていたお子さまは

とても利発で自己肯定感の強いお子さまでしたが、

なぜか左右がどうしても理解できませんでした。

お人形の右手にリボンを結んだ相棒を絶えず

近くにおいて毎週学習に励みましたが、

考査本番まできっちり理解するには至れませんでした。

ですが、お母さまは「どうしてもわからないんだから、

もういいよ、わからなくても」とおっしゃって

考査直前のレッスンでもさらりとふれるくらいで

特訓を希望されませんでした。

結果として、私立は女子難関校に合格され、

国立は筑波大附属に合格されています。

あの時お母さまが苦手分野を気にするあまり

お嬢様を「なんでできないの!」と叱責されたり、

私との授業中にそれをできるようになるまで

絶対に指導してくださいとおっしゃっていたとしたら・・

 

考査直前期にお子さまが自信を失い、他のできる

ことまで自信をもって望めなくなっていた可能性は

高かったと思います。

そのお嬢さまが私との最後のレッスンの終了後、

元気いっぱいにニコニコと「私、やってくる!!」と

お家の外に出てお母さまとお見送りをしてくださった

ことを、思い出します。