なぜ中学受験があるのに小学校受験するのか?

 

こんにちは!幼児・小学校低学年向け家庭教師派遣のミセスサリヴァン

代表の言水(ゴンスイ)です。

 

あっという間に年末ですね。11月からお教室の新学期が始まり、

「新年長さん」はもちろん「新年中さん」になられたご家庭でも

小学校受験に向けてのご準備を意識なさっていると思います。

 

現在通塾されたり、家庭教師とレッスンをされていたりなさっている

ご家庭の保護者さまにも、まだご準備をされていない保護者さまにも

もしかするとこんな風に考えておられる方がいらっしゃるかも知れません。

 

「なぜ、中学校受験があるのに

小学校受験をする必要があるのか」

 

小学校受験で進学することのできる学校は、

私学にしても国立にしても大きく分けて

 

1.大学までの附属校

2.高校まで(または大学があっても大受する人が多い)の学校

3.小学校のみ(または中学があっても中受する人が多い)の学校

 

上記3つのパターンのいずれかに分類されます。

受験する学校に大学が付いている、なので小学校受験でうまく

合格できたら、この先の大学受験までの試験をすべてスキップできる。

これは非常に大きなメリットだと私も感じます。

 

実際大学附属校の人気は高く、とくに慶應義塾幼稚舎、

慶應横浜初等部、早稲田実業初等部は慶應大学や早稲田大学に

進学できるため( 100%ではもちろんありませんが)

ものすごい倍率です。

数年前に新設された東京農業大学稲花小学校も、とんでもない

倍率になりました。

 

また、高校までの学校も、場合によっては中学受験が前提になる

小学校だけ(または中学校受験に熱心な)学校も、難関校が

たくさんあり、しっかりご準備をしていなければ合格できません。

そんな中で、考査を受けずに進学できる公立の小学校に通って、

中学校受験で好きな学校を受験できるのに、なぜわざわざ

時間とエネルギーとお金をつかって小学校受験をする必要があるのか?

と思われる方も多いと思います。

 

例えば準備の大変な小学校受験を見送って、公立の小学校に入り、

中学校受験をするとしたら、その後どんなスケジュールになるのでしょう?

 

少なくとも新4年生(3年生の2月)からは中学受験塾への通塾が必要になります。

なぜかというと、大手進学塾(SAPIX・四谷大塚・早稲田アカデミーなど)は

4年生から6年生の3年間で中学受験に向けての準備が整うように

カリキュラムが組まれているからです。

たとえば5年生から通塾開始する場合、4年生の1年分の学習内容は

自分で取り組まなくてはなりません。

もちろん塾で5年生の履修分野を学習しながらですから、これは

かなり大変だと思います。

 

また、多くの塾では入塾試験があり、サピックスなどは

入塾試験の結果でクラスが分けられ場合によっては入塾できない

ケースもあります。

ようするに3年生2月の段階で、お子さまたちの学力には

すでにしっかり差がある、という状況で中学受験塾での生活が

スタートします。

 

では3年生2月の入塾までに何をするのか?

どうやって準備を進めるのか?

公立の小学校に進学した場合、1年生から3年生までの

お子さまの学習のオーガナイズはすべてお子さまの

保護者さまがされることになります。

なので、小学校入学と同時または入学前から

中学受験塾への通塾を開始されるという方も最近は

多くいらっしゃいます。

通塾を開始したら、プリントの管理からはじまって

予習・復習・単元テストや模擬試験の準備などを

親御さんがしっかり見てあげる必要が生じます。

通っているだけでは成績は上がらず、結局は

塾で教わったことをいかに自分の身につけられるか、

だからです。

1年生から通塾を開始した場合、この生活を

6年間継続することになります。

 

小学校受験はもちろん大変ですが、たぶん一般的な

準備期間は短くて1年、いちばん長い場合でも3年だと思います。

ですが中学受験は、下手したらご準備に6年かかるのです。

ようするに、中学校受験の方が長い間のご努力が必要になります。

また、小学校受験よりも圧倒的に受験人口の多い試験のため、

その戦いは熾烈を極めます。

よほどできるお子さまでなければ難関校には合格できないのです。

 

12歳になったお子さまに、難関中学を受験できる学力がついているか。

それを5歳の段階で見極めることは非常に難しいと思います。

ですが、たとえば5歳で小学校受験をして、せめて中学校まである

附属校に入った場合、万が一お子さまのその後の成長過程で、

中学校受験に向かないタイプだということが分かった場合も

納得のいく進学先をキープすることができます。

もちろん、中学校受験に向くタイプであれば、

内部進学せずに外部の中学校を受験することもできます。

 

また、みんなが中学校を受験するいわゆる中受学校の場合は、

学校のカリキュラムが非常にしっかりしており、通っておられる

お子様ご家庭もそこに意識をフォーカスして頑張られます。

学校も中学受験をしっかりサポートしてくれます。

中学受験のための勉強と公立の小学校の授業は、

別世界的に難易度が違うのです。

5年生から中学受験の準備を始めて、

難関中学校に合格した、というお話を聞くことが

ありますが、ほとんどの場合それは私学に在籍

されているお子さまだと思います。

ですから、公立の小学校に入学された場合、

お子さまの生活と学習のオーガナイズを

いかにしっかりできるかが、成功できるかの

大きなポイントになります。

 

中学受験は12歳での試験ですが、その本格的な準備は

小学校3年生の2月には開始されます。

そしてそれまでに学力の基礎固めをする必要があるとすると、

いったいいつから準備を開始したらいいのか?

ということになりますが、

たぶん幼児期から、基礎的なことをやっておくべきです。

小学校受験を目的としている場合も、していない場合も、

学ぶ楽しさを知る、学習習慣をつける、見るときに見る

聞く時に聞くという基本動作がしっかりできる、

いろいろな取り組みに触れて興味と好奇心を刺激するなど、

小学校受験に必要な要素はそのまま、中学校受験の基礎

づくりになります。

 

幼児期になにもせず、小学校に入ってから塾に通うだけかよって、

難関校に合格するというのはよほどのレアケースだと感じております。

サリヴァンは創業から15年たっておりますので、小さい頃に

レッスンを受けておられたお子さまの中で、中学校受験を終えられ

ているケースもありますが、進学先を聞くと、「やっぱり」と思う

ことがほとんどです。小さい頃の取り組みのご様子と、大きく

なられてからの学力には相関関係があると感じます。

 

小学校受験をしても、しなくても、私はどちらでもいいと思います。

どちらを選ぶ場合も、場合によっては小学校受験と中学校受験の

両方をされるとしても、そのために必要な準備を保護者さまが理解され、

お子さまのタイプにあわせてじっくり見極めをされることを

おすすめします。

 

ちなみにカミングアウトしますが、私は娘が年中さんの時から2年間

幼児教室に通わせておりましたが、悩んだ結果茗荷谷の国立3校のみに

願書を出し、私学の受験を見送りました。

その当時すでに起業の準備をすすめていたことと、

両方の祖父母は札幌在住でヘルプが頼めない状況下で

ワンオペの育児をしていたことから、

私学は合格できたとしても、その後の学校生活の対応が難しいと

考えたからです。

(今考えたら、国立の小学校のほうがよほど保護者の出番が多い

のですが、それを知りませんでした)

抽選が通過できなかったとしたら、公立のいわゆる越境小学校に

入れて、中学校受験すればいいと思っていました。

 

ですが、願書を出した国立3校すべての抽選に通らなかった時、

「せっかくおべんきょうしてたのに、しけんをうけてみたかった。

きょうしつのみんなはしけんうけたのに」

と5歳の娘に泣かれ、とても後悔しました。

私学を受験して、できればどこかに合格をいただいて、

その学校に進学したとしてもしなかったとしても、

がんばったね、すごいね、と娘のがんばりをねぎらう

べきだったと今になってからは思います。

その後、未熟な私が娘の中学受験で親子ともども

非常に苦労したことは言うまでもありません。

中学受験の後は大学受験をしましたが、サリヴァンの先生方に

大学受験の相談までさせていただいて本当にお世話になりました。